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家庭画報 2016年4月号

賀来千香子が魅せる 軽やかなラグジュアリー

 
  エアリーなマテリアル、柔らかな色彩、爽やかな季節を
  感じさせるモチーフづかい、そして大人をときめかせる
  お洒落な遊び心−。
  春を迎え、気分を高揚させる幸福なムードに満ちた
  ファッションの世界。
  軽やかなラグジュアリーを体現したトップメゾンの
  最新コレクションを、女優・賀来千香子さんが優雅に
  まといます。
 
    撮影/中川真人
    スタイリング/伊藤美佐季
    ヘア/DAI MICHISHITA
    メイク/MICHIRU(3rd)
    美術/玉乃井哲哉
    取材・文/可島裕子
    撮影協力/群馬県立館林美術館


PART1 新しい自分に出会う私のお洒落の楽しみ方

 「年を重ねるほどにお洒落が楽しくなってきた」と語る賀来千香子さん。
 トップメゾンの生み出すラグジュアリーの審議を理解することのできる、
 家庭画報世代だからこそのファッションの楽しみ方についてうかがいました。


Dior

 
  まるでジャケットの裾からドレスが覗いているかのような錯覚を
  起こさせる、エレガントながらも大胆なデザイン。
  がっちりとしたダークネイビーからのウールクレープのボディに、
  縦と横に流れる繊細なブリーツをあしらった黒のシルククレープの
  裾を組み合わせています。
  複雑な構造に、クチュールメゾンの美意識と高度な技術が見てとれます。
  歩くたびに裾がゆったりと揺れ動くさまも優美。



”年齢を重ねた今だからこそメゾンの美意識や
  心意気がわかるようになりました”


  パリ、ミラノ、ニューヨークを代表するトップブランドの2016年春夏
 コレクションの新作を、大人の女性ならではの魅力で華麗に着こなす女優
 賀来千香子さん。
 「黒や茶といった重圧な色が多かった冬からの反動もあり、春になると、
  きれいな色な鮮やかなテクスチャーが真っ先に着たくなります。
  袖を通すだけでウキウキしてしまいますよね」
 と、この季節のファッションについて語ります。
  今回、約四年ぶりに家庭画報のファッションページを飾った賀来さん。
 「年齢を重ねていっそう感じるのは、吟味された上質な素材や、手間を
  かけた丁寧な手仕事の温かみの素晴らしだです。
  さまざまな服に袖を通し、お洒落の経験を積んできた今だからこそ、
  一過性の流行や華やかさを超えたところにある、一流ブランドの心意気
  やこだわりが理解できるのだという気がします」。
 「たとえばディオールのベストやロエベのドレスに見る贅沢で綿密な
  職人技、ポッテガ・ヴェネタの新しい感性に満ちた色や柄のレイヤード、
  シャネルのバッグやグッチのアクセサリーに感じる大人ならではの
  ”おさまらない遊び心”−。
  それは常に時代の先を行き、ラグジュアリーを知り尽くすトップメゾン
  だから生み出すことのできる世界ですよね。
  そういったものに触れるたび、心が浮き立ち、お洒落心がくすぐられる
  のです」。
  
  またシーズンごとに新鮮な気持ちになれるのも、賀来さんがファッション
 に惹きつけられる理由の一つ。
  「四季の自然を愛でるように、その季節の空気を肌で感じられるのも
   お洒落の醍醐味。それに毎年その季節はやってくるのに、いくつに
   なっても新鮮な気分にさせてくれるのは、それが時代の”ムード”を
   反映したファッションだから。
   着る人を未知の世界へと旅立たせてくれる、そんな力が最新の
   ファッションにあるのではないでしょうか」。



Salvatore Ferragamo

 
  眩しいほどの存在感を放つ春の白は、デザイン性の高い一枚で
  ドラマティックに。ボリュームシルエットを描くギャザーを施した袖や、
  リボンで留められたバックスタイルなどのスタイリッシュなあしらいが、
  純粋な色にハッとするほどの洗練をもたらします。
  ナバレザーのパネルを職人の手でつなぎ合わせた黒のスカートを
  合わせれば、そのモードな個性が際立ちます。



Giorgio Armani

 
  ”赤い糸”をテーマにした「ジョルジョ アルマーニ」。
  赤い糸を印象的に取り入れたトリコロールカラーのニットが、
  小粋なマリンスタイルを実現します。
  特殊な技法で立体的に織り上げたジャガードニットは、温もりのある
  表情を見せて。
  白のパンツ、そしてニットと同じカラーをリフレインンしたビジューバッグ
  で、清潔感が薫るエレガンスを。



”新しいお洒落をどんどん取り入れて今とは違う自分に出会いたいですね”

 
 「トップメゾンの最新コレクションを着る仕事は、いつだって心が躍ります。
  今回袖を通した服の中にあ、普段から手に取るような大好きなスタイル
  もあれば、着たときの自分が想像できないようなものもありました。
  でも本当は、その”想像が出来ない服”にあえてトライすることが、
  新しいお洒落の扉を開くのだということを、改めて強く実感しました。
  カメラの前に立ってみてはじめて、今まで意識したことのなかった
  自分の一面に出会うことができました」
  そう語る賀来さんを”新しい自分”の発見へと導いたのが、今年らしさの
 象徴ともいえるプリントや、大胆な配色であったといいます。
 「柄ものは似合うものを見つけたいと思いながらも、なかなか挑戦する
  ことがありませんでした。でも実際に着てみると、こんな自分も悪くない、
  なんて発見があったりして。
  ヴァレンティノやエトロの鮮やかな生地にあしらわれたエスニック
  プリントは、自由な気分にとると同時に穏やかで優しい気持ちに
  なりました。それかだ大好きなマリンスタイルは、ネイビーを基調に
  柄を利かせると、存在感がありながらもシックに着こなせて新鮮!
  そんなふうにもどれも楽しかったのですが、なかでも気になるトレンドは
  白ですね。
  冬の贅沢な白も好きですが、春の眩しい白を素敵に着こなしたいです。
  ごまかしのきかない色だから、その人が重ねてきた人生が滲み出る
  ような、そんな心地よい緊張感も気持ちを正してくれる気がします」。
 「自分らしさが確立され、似合うものを熟知している大人は、お洒落に対して
  冒険をしなくなりがちですよね。
  でもこの世代こそ、新しいものに挑戦し続ける気持ちが大切なのでは
  ないかと感じました。
  いつまでも好奇心を持ち続けている女性は輝いて見えますし、素敵です
  から。築ついてきた自分らしさを大切にしつつ、時代の空気を感じながら、
  新しいスタイルに挑戦していきたいです」



Gucci

  ブルーで描かれた竪琴や天秤、鎧…。
  古代ローマを連想させるプリントが時空を超えた旅へと導くシルクの
  セットアップは、どこかレトロな雰囲気を漂わせて。
  ミモレ丈のスカートは、腰下から大きなプリーツがとられ、ゆっくりと
  エレガントに揺れて。
  CGロゴをアップデートした太ベルトでウエストマークすることで、
  今年の気分を加味するとともに装いにメリハリが生まれます。  



マリンテイスト

  「春夏になると毎年のように注目を集めるマリンテイスト。した
   その気分を手軽に取り入れられるのがボーダー柄ですが、
   カジュアルな雰囲気になりがち。
   エレガントをキープしながらトレンドを楽しみたい家庭画報
   世代には、ネイビーを主役にした着こなしがおすすめです。
   今年は、ロープをアレンジしたワンピースや、ヨットモチーフを
   あしらったパンツなど、”ひねり”のあるアイテムが登場して
   います。誰からも好印象を持たれる正統派カラーは、マリン
   スタイル初心者の人いも取り入れやすいのも魅力ですね」  




PART2 軽やかに、美しく旬のトレンドをこう着こなす

 今シーズン、成熟時代の女性が取り入れるべき注目のトレンドを厳選。
 旬のスタイルをエレガントに美しく着こなすヒントを、パリ、ミラノ、ニューヨーク
 の最新コレクションから探ります。


Bottega Veneta

  互いに個性を主張するマルチボーダーのニットとレオパードプリントの
  スカート。異なる要素を組み合わせたスタイルは、多彩な魅力を持つ
  大人の女性の内面を映し出すように、一つのコーディネートとして
  見事に完成しています。
  クラフツマンシップが光るクロシェ編みのボーダーニットや、肌で
  確かなクオリティを実感できるなめらかなヘアカーフレザーなど、
  贅沢なこだわりが装いに格を生んで。



Ralph Lauren Collection

  ネイビーのニットから白いポロシャツの衿をのぞかせた清潔感漂う
  シックなマリンスタイルは、明るい日差しに凛と映えて。
  優雅な動きを見せるとろみのあるビスコースのワイドパンツの
  左サイドには、レザー、タフタ、ジョーゼット、クレープ、サテンの
  色とりどりの6種の素材を、熱処理によりまるで一枚の生地のように
  パッチワークしたヨットが描かれてます。
  リックスでモードなユーモアが光る一着。



Max Mara

  海にまつわる物語を、シンプルなエレガンスにのせて表現した
  「マックスマーラ」。深海のようなネイビーに白いロープモチーフ
  を描いた、上品な光沢を帯びたシルクツイルのワンピースは、
  優雅な船旅やヨーロッパの港町の情景を想起きさせます。
  ネックと裾にはロープのドローストリングがあしらわれ、ロープを
  絞ることにより生まれるギャザーや、リボンのような結び目が
  フレッシュなフェミニニティを演出。
  南国のリゾートなど、太陽の下で装いたい一枚です。



Lanvin

  デザイン性や素材のニュアンスを引き出す、表現力に長けた白。
  その色のパワーを感じることができる、クチュールメゾン
  ならではの一枚がこちらです。
  切りっぱなしの生地を幾重にも重ねることで複雑な表情を見せる
  袖のあしらいに、肩の力の抜けた現代的なエレガンスを感じます。



Fendi

  直線的なラインを描くしなやかなウールシルクのドレスに、
  ハードな質感のラムレザーのポケットを配した大胆なデザインが
  目を引きつけて、実際はウエスト脇がカットされたロングドレス
  ですが、後ろからはトップスとスカートのセパレートに見える、
  二面性のある意匠がメゾンの精神を感じます。



Loowe

  「ロエベ」は、ブランドの本質ともいえるオーガニックな個性に
  ハイテクノロジーを融合させることで、ラグジュアリーの新たな
  可能性を見出しました。肌の一部のようにしなやかな、
  キャメルカラーのナパレザーの円柱形ノースリープドレスに、
  本物のイグサ科の植物を最新技術で熱を加えてプリント。
  リアルで繊細な植物の模様が刻まれています。



Escada

  優しく美しい発色に目を奪われるラムレザーコートは、
  ミントブルーとオフホワイトの両面を楽しめるリバーシブル。
  2枚のレザーを貼り合わせながらも驚くほど軽量な仕上がりは、
  「エスカーダ」が誇るクラフトマンシップの賜物といえるでしょう。
  爽やかなカラーコントラストとミニマルなシルエットとが相まって、
  クリーンな印象を醸し出します。
  目にも肌にも上質を感じることができる、大人だけに許された
  この上なく贅沢な一着です。



Valentino

  明るく、純粋で、力強く鼓動する、野性的なエネルギーに
  溢れた地、アフリカ。
  常に人々を魅了するこの地へと心を装う、プリミティブな色彩で
  描かれたプリントドレスです。
  母なる大地悠然と闊歩する象や、自然豊かなアフリカの情景を
  写した薄手のモスリンコットンの生地は、軽やかで躍動感のある
  動きを見せます。
  レザーのバイピングを施したビスチェを合わせて、誰もが思わず
  振り返る、新鮮でドラスティックな姿に。



Etro

  わずかな風もとらえ、ふわりと翻るさまがなんとも美しい
  シングルドレスは、その麗しさで見る人の心を引きつけます。
  黒地に描かれたフォーク調のフローラルパターンが、ペイズリー
  の曲線と相まって優しいエレガンスを漂わせて。
  プリントと刺繍で表現され、平面と立体の2つの質感が、ドレスに
  奥行きのある表情を与えています。
  胸と背中はごく薄いシルクシフォンから肌が透け、気品に満ちた
  大人の色香を叶えます。






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